「形」からみえるもの

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突然ですが、菊池寛の『形』という短編小説を
ご存知でしょうか?

独特の文体と世界観からか
その短さにもかかわらず、
不思議と読後感の長い作品です

簡単にあらすじを説明すると
「昔、中村新兵衛という槍の達人がいた。
彼はいつも特徴のある陣羽織と兜をつけていて
敵はそれを見ただけで恐れおののいた。
ある日、新兵衛は、
初陣に出る縁ある若武者から
陣羽織と兜を貸してくださいと頼まれる。
新兵衛はその頼みを快く受け入れ戦に出る。
すると新兵衛の陣羽織と兜をつけた若武者は、
大きな手柄を立てた。
一方、新兵衛は、
なにか勝手が違うのを感じた。
いつもと違う『形』をした新兵衛に対して
敵は怖じ気づくことなく、十二分の力を発揮したのである。
陣羽織と兜を貸したことを
後悔する気持ちが脳裏をかすめた瞬間、
敵の槍が彼の脾腹を貫いた」
といった感じの内容です。

この作品には
様々な含意がこめられているように思うのです

一生懸命努力し、
高い能力を身につけたのなら
その結果を
『形』に変えることは
大切です

他の人から見たら
その人がそれだけの力を持ち、
成果を残した人なのか
初見では素性がわからないからです

しかし一方で
新兵衛から見た『形』は
彼の陣羽織と兜が敵への威圧の源となり
そこから生まれるイメージ、雰囲気の力に
依存し過ぎていたことの象徴にもなっています

自分が敵方の立場であれば
『形』に捉われていないか
過去のイメージをかぶせて
相手を見ていないかに注意を払い
日頃から先入観なく相手を見て
戦に臨まなければなりません

自分が新兵衛の立場であれば
『形』を過信していないか
過去の栄光に捉われていないかに注意を払い
常に中身を磨き続け
戦に臨まなければなりません

今、目の前の存在を
ありのままにみて
ライブに判断しなければならないのです

現代の日本に
一般的な『戦』はありませんが、

中身はいいのに
世間に伝わらないのは
『形』を使いこなせていません
しかし
『形』を必要に応じ
バージョンアップしないのも
『形』を使いこなせていないのかもしれません

『形』の奥にある
深淵なるものに目を向ける姿勢と
『形』に依存せず
内面を磨き続ける姿勢を
忘れずにいたいと思うのです

ではね!

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